V40 D4 SE / V60 D4 SE

Test Drive Report

「ボルボ=安全性の高いクルマ」。こんなイメージを持っている方は多いのではないでしょうか? たしかにボルボは、40年以上前から事故調査隊を組織して、実際の事故からデータを蓄積したり、あらゆる事故を再現・検証するセーフティセンターを設置したりと、常に世界をリードしてきたメーカーです。

でも、それと同時に、環境性能についても高い関心を持って、先進的な技術開発を行ってきた歴史もあります。実は、スウェーデンは環境先進国。子どもの頃から環境教育を受けたり、90 %をこえる家庭ゴミのリサイクル率を実現したりと、自然と共生しながら持続可能な社会を目指す国なのです。

  今回、新たに登場した「D4」は、そんなバックグラウンドの中で生まれてきたクリーンディーゼル。環境性能と走行性能を高い次元で両立した、新世代のボルボを象徴するエンジンだと言えるでしょう。

今回は、その「D4」エンジンを搭載する5車種の中から、初めての輸入車にも最適な「V40 D4 SE」と、ラグジュアリーなスポーツワゴン「V60 D4 SE」の2台に試乗しました。

そもそもクリーンディーゼルとは?

まずはクリーンディーゼルのメリットを簡単にお話ししましょう。ボルボのクリーンディーゼルはDrive-Eディーゼルエンジン「D4」と名付けられていますが、ガソリン車と比べて燃費が約40%も良いのが特徴。V60 D4のJC08モード燃費は、20.2km/Lとコンパクトカー並みです。燃料となる軽油も、ハイオクガソリンより1リッターあたり30円程度安いため、燃料代を約半分に抑えることができます。

また、低速からの力強い加速もD4の魅力のひとつ。燃費がいいからといってパワフルな走りを諦める必要はなく、経済性、走行性能、環境性能を高いレベルで実現するエンジンなのです。
 
ボルボの場合、車両価格は各モデルともガソリン車より25万円高となりますが、エコカー減税で「免税」となることもあって、年間1万kmの走行でも、3.2年(*)で価格差を回収することができるそう。よく走る人ほど、そのメリットを実感することができるでしょう。

*V60 D4 SEでの試算

V40 D4 SE 試乗記

もっともコンパクトなボルボ

プレミアムショートワゴン「V40」は、もっともコンパクトなボルボ。スポーティなスタイリングと軽快な走りが特徴で、初めての輸入車に選ぶ人も多い、人気のモデルです。

Drive-Eディーゼルエンジンを搭載するV40にはベーシックな「D4」と、17インチアルミホイールやHDDナビゲーションなどが標準装備された上級グレード、「D4 SE」の2モデルがあり、「D4 SE」の方に試乗しました。

クリーンディーゼルの走りは?

「ブロンド」という、北欧らしい明るいカラーのシートに腰を下ろしてエンジンをかけると、ガソリン車よりもほんの少しだけ勇ましい音が聞こえます。でも、音の違いがわかるのも、走り出すまで。走行中に、音でガソリン車との違いを感じることはほとんどないでしょう。

  走りの方はというと、とにかくパワフル。低回転から力強いので、ほんの少しアクセルを踏んだだけでググっと加速していきます。とはいえ、荒々しい部分はなく、きびきびした軽快な動きで、楽しく走れる印象でした。

「疲れない」も安全性能のひとつ

ボルボを語るなら、シートの良さも忘れてはいけないポイントです。その快適性は、「サービスエリアでボルボから降りてきた人は、“伸び”をしない」と言われるほど。実際、試乗中にお尻を動かしたり背中を伸ばしたりした記憶はまったくありません。

ボルボは「人を中心に発想」するという設計哲学を持っていて、疲労を減らすことも、大切な安全性能のひとつとして考えているのです。

自分だけの1台を選ぶ楽しみ

試乗を終えて「自分がV40に乗るなら、どんな仕様を選ぶだろう?」と考えました。

V40 D4 SEには、写真のパッションレッドを始めとした個性的な13色のボディカラーがあって、インテリアカラーも数種類が設定されています。同じV40でも、カラーによって印象がガラリと変わるので、かなり迷ってしまいそうです。

でも、選択肢が多いということは、自分らしい1台が選べるということ。きっと、自分だけのボルボを選ぶところから、ボルボライフは始まるのでしょう。

V60 D4 SE 試乗記

大人のスポーツワゴン、V60

次に乗ったのは、プレミアムショートワゴン「V40」より一回り大きなスポーツワゴン「V60」です。

V60のクリーンディーゼル搭載車は「V60 D4」と上級グレードの「V60 D4 SE」。そして、よりスポーティなデザインの「V60 D4 R-Design」の3タイプが用意されています。

今回の試乗車は「V60 D4 SE」。「パワーブルーメタリック」という落ち着いたブルーのボディカラーです。

ひとクラス上の重厚感

2.0Lクリーンディーゼルと8速ATの組み合わせは、V40 D4と同じ。でも、V60では、V40以上に静粛性が高く、乗り心地もよりどっしりとしていて重厚な印象を受けます。

V40より一回り大きく重いV60ですが、パワー不足を感じる場面はまったくありません。それもそのはず、このD4エンジンは、3.5リッターや4.0リッターガソリンエンジンと同様のトルク(力強さ)を持っているのです。

後席の乗り心地にも注目!

オプションのレザーパッケージが装着されたインテリアは、ご覧のとおり。「ソフトベージュ」と呼ばれる北欧家具のような明るい色のインテリアは、雰囲気が暖かくなるだけでなく、室内をより広く見せてくれます。

長時間乗っても疲れないシートの良さは、ほかのボルボ車と共通。試乗時には、リヤシートにも座ってみましたが、「これ本当にリヤシートなの?」と思うほど、かけ心地は良好でした。試乗の際は、ぜひ後席にも座ってみてください。

ライフスタイルを変えてくれる?

スポーティで軽快な走りのV40に対して、より広い室内空間と重厚な乗り心地を持つV60は、“大人のワゴン”といった印象でした。それでも、D4エンジンがどちらにもマッチしていたのは、全モデルに共通する“ボルボらしさ”があるからでしょう。

最後にもう一度「自分が乗るなら?」を考えてみました。ボディカラーや仕様は、やはりすぐに答えを出せそうにありませんが、きっとエンジンはD4を選びます。それは、燃費がいいクルマに乗ると、気軽に出かけられるようになるから。経済性の高さは、単にお財布にやさしいだけでなく、ライフスタイルを変えてくれる可能性もあるのです。