Design

冒険心を伝えるデザイン

アウトドアで大自然を満喫するライフスタイルが、スウェーデンに暮らす人びとのDNAには刻み込まれているのです──そう語るのは、ボルボのデザイン担当上級副社長、ロビン・ペイジ。そんなライフスタイルに完璧な一台として彼が挙げたボルボが、新しいV60 Cross Countryです。

文:ナサニエル・ハンディ

ボルボのデザイン担当上級副社長であるロビン・ペイジにとって、Cross Countryシリーズはどのような意味を持つモデルなのか。この質問に対し、彼は次のように答えてくれました。「現実逃避の手段、でしょうか。スウェーデンでは週末になると、誰もがこぞって郊外や海辺や森の中に姿を消してしまいます。日常の生活空間から離れて、思い思いにアウトドアを楽しむのです」

スウェーデンでは一般的にそうしたライフスタイルを端的に表現し、しかも実際に最高のパートナーとなれるモデルを創造する。それがロビンの目指した新しいV60 Cross Countryのデザインでした。「このモデルをデザインするにあたり、行動範囲を広げるための高機能で実際に役立つ装備を実装しながら、いかにしてこれまで以上に洗練されたスタイリングに仕上げるかについて検討を重ねる作業は、実にやりがいがありました。それがうまく伝えたかった」

ロビンはまた、V60 Cross Countryは使う人の信頼を裏切らないモデルにできたと確信しているとも述べています。「使う人のライフスタイルを第一に考えているという意味です。私にとっては、人びとの生活をより豊かにすることができるような、ライフスタイルに直結している製品を作るほうが、スポーツカーらしく走る機会を与えられないスポーツカーをデザインするよりも興味を引かれるのです」

たくましさのなかにもエレガントな雰囲気をたたえ、無骨さを残しながらも躍動的。新しいV60 Cross Countryはそういうモデルであり、ロビンの言葉どおり、ほかのどんなクルマにもない独自のキャラクターが備わっているといえるでしょう。「他車にはない存在感がありますよね。クロスオーバーとしての高い資質を予感させるとともに、オーナーのアクティブなライフスタイルがうかがえる。そんなスタイリングです」

走破性を向上させるための高機能な装備の実装と並び、V60 Cross Countryの開発ではボディ保護の強化、高い接地性の確保、そして幅広い使用目的に応えられる多用途性を、美しいスタイリングを崩さずに達成するという目標が掲げられました。地上高の拡大はそのために採用されたソリューションの一例であり、未舗装路や荒れた路面でアンダーフロアを保護するとともに、堂々とした存在感にも貢献しています。

「まず最初に着手したのが、V60よりも65mm高い210mmの地上高を確保する作業でした」と話すロビンによれば、ボルボのデザインチームは地上高を高めながらも密度感があって地に足の着いたスタイリングを維持するため、ホイールサイズやトレッドを拡大しているとのこと。「18インチと19インチを標準装備に選びましたが、20インチもアクセサリーで用意しています。さらに迫力あるスタインリングになりますよ」

ロビンはまた、特徴あるフロントグリルにも強くこだわったといいます。縦のバーをベースにドット状の“スタッド”を配したデザインは、上級車種であるV90 Cross Country譲りの処理です。「冬用のスパイクタイヤに埋め込まれているスタッドを意識しました。このモデルの勇壮で頼もしいキャラクターを表現しています」

テールゲートを開けると、荷物を積み下ろしする際の傷を防止するステンレス製のスカッフプレートが現れます。これについてロビンは、「週末に街を離れて友人や家族と郊外へと出かける際には食料や衣類を、人によってはサーフィンやカヤックの道具までラゲッジスペースに積み込むわけですが、そんなときに傷に気を遣うことなく手際よく積み下ろしできるように配慮しました」と説明してくれました。ラゲッジスペースはレジャー用具などを積載することを考慮して設えられているため、水分や泥汚れが付着していても問題はありません。後席のシートバックの高さまでで529リッターとクラス最大級の大容量が確保されており、作りも堅牢ですので、必要なものはすべて積み込んで、週末のアウトドアライフを満喫しましょう。

V60 Cross Countryは細部にいたるまで、自然の美しさを彷彿させるデザインが取り入れられています。これに対するロビンの解説は次のとおりです。「北欧デザインの本質は、飾り立てないシンプルな美しさです。それは自然界の美に通じるものであり、自然が生み出すものに特有のエレガンスを取り込むことで、北欧デザインは成立しているのです。ドリフトウッド・パネルを例に取りましょう。この素材から直接的にイメージされるのはスウェーデンのどこまでも続く海岸線であり、人の手が加えられていないものだけが持つ素朴な美しさをそのまま切り出すことで、北欧デザインらしさが生み出されているのです」

週末になると自然を求めて街を抜け出すスウェーデン流のライフスタイルは、V60 Cross CountryのDNAにも組み込まれています。それは、新世代のボルボ車に共通するスウェーデン流のラグジュアリー感の根源ともいえるでしょう。

「Cross Countryモデルはライフスタイルを支えるパートナーとして、どんなときでも快適で信頼できる存在であり続けます」と語るロビンがV60 Cross Countryをたとえて口にしたのが、荒野にも人通りの多い都会にも溶け込める高機能なアウトドアジャケットでした。「あらゆる場所に似合っていて、しかもあらゆる場面で機能的ですからね」